要支援者対策?要配慮者?要援護者??

      2016年3月16日 福井新聞朝刊より

この問題は11年前からスタートしているが・・・・

 この災害弱者の問題にスポットが当たったのは、平成16年「福井豪雨災害」があった年です。この年は3件の豪雨災害に、10の台風が日本本土上陸をし、200名を超える死者が発生しました。その内、高齢者が90%近くを占め、内閣府が「要援護者の避難に関する検討会」を設け、対策を協議し、平成17年に「災害時要援護者に対する避難支援」についての答申が出され、全国の自治体に、「要援護者(当時、「自分自身での避難が困難又は時間を要するもの」という定義)」の対策をするようにと通達が出された。翌年に福井県がマニュアルを出し、そこから各市町の取り組みが始まったが、なかなか取り組みは進まず、かなり忘れ去られた段階で東日本大震災が起きた。そして、高齢者が多く犠牲になった現状に、「任意」では対策が進まないということで、今度は災害対策基本法で、市町村に対し名簿作成を義務付けとし、個別支援計画作成を推進するようにとした。

 東日本大震災が発生するまでの6年間の取組で、なぜ、この対策が進みにくかったのかを学識者などが検討し、この結果に至ったようだが、個人的な見解だが、問題の本質がずれているようにしか思えないのだが・・・。

 私が感じる問題点は、第1に「名簿」、第2に「個別支援計画の担当者性」である。と言ってしまうと、本制度自体を否定することとなってしまうが、この制度自体は、あくまでも都市部での対策のようにしか見えないのだ。地方社会、特に高齢化率が高い地方では通用しないのではないかと考える。

名簿は迷簿?

 「対象者を明確にするために名簿を作成する」、確かにその通りだ。しかし、「何歳からの何歳までの名簿」のように絶対条件ならば問題も出てこないだろうが、「身体障碍度・要介護度・独居または高齢世帯+本人承諾」という変動性の高い条件設定では、名簿の意味すら見えにくくなる。高齢者の場合、身体の状態は突然変化する場合も多い、昨日までは要介護度2であったのに、突然歩行不能になる場合もある。この場合介護度認定までに1か月近くかかり、その間は対象者では無い状態となる。逆に、体調が悪く入院していても情報としては出てこない。支援しようと駆けつけても不在の場合もある。だから絶えず更新しなければ、対象から漏れてしまう人が発生したり、対象から外す必要がある人がそのままになる。

 それに、11年前の要援護者の解釈には、妊婦や子どもも対象者に含ませれていたが、何故か現在は含まれていない。ご主人が主張中で体調が悪い妊婦さんは独居に分類されるし、充分に要支援者だと思うのだが対象にならないのである。

なぜ担当者制なのか?

 国が示したガイドラインは、一人の要援護者に対して3名の支援者を募り、避難行動が必要な時に支援を実行するというものだが、高齢化率26%の日本では成立が困難な支援者数だ。また、「あなたは○○さんを」とした段階で責任性が発生したような錯覚を持ってしまう。行政側が「あくまでも任意で、絶対に支援しなくてはならないものではない」と説明したところで、「訴訟を起こされたら・・」との不安もあるだろうし、支援が必要な事態となったときに、何らかの事情で実行できずに対象者が死亡してしまったらと考えれば、そのことを「任意だから」と割り切れるものではないはず。そうなれば、担当者性に二の足を踏まない人はいないのではないだろうか。

防災・減災活動は住民みんなで

 「担当者が」ではなく「みんなで」が本当意味で必要な対策ではないか。地域社会の「つながり」の大切さを、今一度考える段階に来ていると思う。この制度は、この「つながり」を最初から放棄しているように感じてしまうのは私だけだろうか。

 みんなで智慧を出して、どうやって命を守りあおうかと話し合う。そのために自主防災組織を作られているはずなのに、「誰が」「誰を」になってしまうと、「役員さんがやればいい」「自主防災の人が・・・」「行政が・・・」「私は忙しいから」となってしまう。「あなたも助けますよ。私も助けるし、助けてもらいます。」というのが本当ではないだろうか。これならば要援護者制度も必要はなくなる。名簿も、支援者も。

 「互助」とは本来、そういうことなのではないかと私は信じている。

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