雨の季節

防災の話をしていると、こんな話をよく耳にする。『やっぱり一度災害に遭わないと真剣にならないのですかね~』だ。私の防災の師匠(勝手に思っているのですが)である寺田虎彦も、同じようなことを論文に書いている。災害という怖い経験をしても、人とは時間が経てば忘れてしまう。災害の怖さを忘れないために、一定サイクルで災害に遭うしか、用心をしないのではという、ちょっと痛烈なアンチテーゼでもある。ということは最初の「一度災害に・・・」というのは成り立たない。どうせ暫くで忘れるのだから。

とうとう、また、やっぱり、雨の季節になった。これはこれで必要でもあるのだが。最近水害が発生しない年が無い。あまりにも多いので昨年起きた九州北部豪雨でさえ数年前のように感じてしまう。なのに、逃げない人が多い。あれだけ水害や土砂災害のニュースを見ているのに。こんなことを私が言うのは問題があるが、行政から避難の呼びかけがあっても逃げない人が多いのに、『危険が迫ったら自分で判断して逃げる』なんてありえるのか、と思ってしまう。なにか魔法のような方法は無いものか・・・と、つい考えてしまう。